ENCYCLOPEDIA · 北欧神話

グラニ

Grani

スレイプニルの血を引く、シグルズの灰色の馬。竜ファーヴニルの黄金を運び、シグルズを乗せて炎を越えた。主人が殺されたときには地にうなだれたと語られる。

スレイプニルの血を引く馬

『ヴォルスンガ・サガ』によれば、シグルズは馬を選びに森へ向かう途中、長いひげの見知らぬ老人に出会った。老人の助言で馬の群れを深い川へ追いこむと、一頭を除いてみな岸へ泳ぎ戻った。残った一頭は灰色の若い馬で、大きく美しく、まだ誰も背に乗ったことがなかった。老人は、この馬はスレイプニルの血を引き、よく育てればあらゆる馬のなかで最もすぐれた馬になると言って姿を消した。この馬がグラニである。サガの本文は、この老人がオーディン自身だったと述べている。

黄金と炎

ファーヴニルを倒したシグルズが竜の黄金を二つの大きな箱に詰めてグラニの背に載せると、グラニは打たれても動かなかった。シグルズがその心を悟って背に跳び乗り拍車を当てると、グラニは荷がないかのように駆け出した。

ブリュンヒルドの館を囲む炎を越えるとき、グンナルの馬は炎を踏もうとせず、グンナルはシグルズにグラニを借りた。それでもグラニは動かなかった。グンナルの姿になったシグルズが乗って拍車を当てると、グラニは炎のなかへ跳びこんだ。

シグルズが殺されたあと、グズルーンは、グラニが深い傷を負った主人を見て大きく騒ぎ、話しかけると地にうなだれた、シグルズが死んだことを知っていたのだ、と語る。

登場する物語

関連する事典項目

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出典

  1. 『ヴォルスンガ・サガ』
    原題
    Völsunga Saga: The Story of the Volsungs and Niblungs
    該当箇所
    I–XLIII。1888年版の章立てを起点とする
    参照訳
    Eiríkr Magnússon and William Morris; edited by H. Halliday Sparling, Walter Scott (1888)

    2026-10-28、章立てと目次を確認。サガ本文を全章照合した記録ではない。エッダの英雄詩や大陸のニーベルンゲン伝承を同一版として混ぜない。