ENCYCLOPEDIA · 北欧神話

ルーン

Rúnar

神話で知恵と力をもつとされる文字。オーディンは風の吹く木に九夜吊られてルーンを得たとうたわれる。英雄伝説ではルーンを刻んで勝利や守りを求め、また警告のルーンが書き換えられて悲劇を招く。

オーディンが得たルーン

『古エッダ』の「高き者の言葉」(ハーヴァマール)では、語り手のオーディンが、風の吹く木に九夜のあいだ吊り下がり、槍で傷つき、自分自身を自分自身に捧げたと語る。誰もパンも角杯も与えてくれないなか、下を見下ろし、叫びながらルーンを拾い上げたという。ベロウズの訳注は、この木をとねりこユグドラシルとしている。

詩は続けて、ルーンは神々が作り、神々にはオーディンが、エルフにはダーインが、小人にはドヴァリンが書いたとうたい、悲しみや病を助ける歌、敵の刃をなまらせる歌、縛めを解く歌など、語り手の知る呪文を数えあげる。

英雄伝説のルーン

『ヴォルスンガ・サガ』では、山上で目覚めたブリュンヒルドがシグルズにルーンの知恵を授ける。勝利のルーンは剣の柄と刃に刻んでテュールの名を二度唱え、海のルーンは船尾と舵に刻むという。のちにグズルーンは、夫アトリのたくらみに気づいて兄弟たちへの警告のルーンを刻んで送ったが、使者がそれを書き換えたため、兄弟は招きに応じてアトリのもとへ向かった。

『古エッダ』の「リーグの歌」では、神リーグが森から来て若いヤルルにルーンを教え、その末の息子コンは永遠のルーン、命のルーンを使うことを学ぶ。

登場する物語

関連する事典項目

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出典

  1. 『古エッダ』Bellows訳・神々の歌と英雄詩
    原題
    The Poetic Edda
    該当箇所
    作品別の詩名・節を本文制作時に特定する
    参照訳
    Henry Adams Bellows, The Poetic Edda (1923)

    2026-10-28、収録目次を確認。詩ごとの本文確認は未実施。既存の採用詩の章別レコードは維持する。

  2. 『ヴォルスンガ・サガ』
    原題
    Völsunga Saga: The Story of the Volsungs and Niblungs
    該当箇所
    I–XLIII。1888年版の章立てを起点とする
    参照訳
    Eiríkr Magnússon and William Morris; edited by H. Halliday Sparling, Walter Scott (1888)

    2026-10-28、章立てと目次を確認。サガ本文を全章照合した記録ではない。エッダの英雄詩や大陸のニーベルンゲン伝承を同一版として混ぜない。