NORSE · STORY
リーグの旅と三つの家
神リーグは三つの家を訪ね、それぞれ三夜を過ごす。その後に生まれたスレール、カルル、ヤルルの三人の息子から、奴隷・自由農民・貴人の一族が始まったと詩は語る。ヤルルの末子コンがルーンを学び、鴉に声をかけられたところで、詩は途切れている。
海辺を行く神
古い話によれば、神々の一人が海辺の道を進み、ある家にたどり着いた。そこで彼はリーグと名のったという。写本の散文は、この神をヘイムダルだとしている。
詩はうたう。昔、年老いて賢く、力強く頑丈な神リーグが、緑の道を大股で歩いていったと。
一つめの家――アイとエッダ
リーグは道の真ん中を進み、柱に戸のかかった一軒の家に着いた。中に入ると床では火が燃え、炉のそばに、白髪の二人が古い身なりで座っていた。アイとエッダである。
リーグは賢い言葉を語るのにたけていた。リーグはすぐに部屋の真ん中に座り、二人はその両側に座った。
エッダは、殻がたくさん混じった、重く厚いパンを持ってきて食卓に置いた。椀には汁が入っていた。リーグは席を立って寝る支度をし、寝床の真ん中に横になった。二人はその両側に寝た。
こうしてリーグは三夜そこにとどまり、また道を進んでいった。やがて九か月が過ぎた。
エッダは息子を生んだ。水をそそぎ、黒い髪を布で覆い、スレール(奴隷)と名づけた。その子の手の皮はしわが寄って荒れ、関節はこぶだらけで、指は太く、顔は醜く、背は曲がり、かかとは大きかった。
スレールは育って力をつけると、樹皮の縄で物を縛り、荷を運び、一日じゅう薪を家に運んだ。やがて、足の曲がった、日に焼けた腕の女シールがやって来て、スレールと結ばれた。二人には多くの息子と娘が生まれ、家の世話をし、畑に肥やしをまき、豚や山羊の番をし、泥炭を掘った。奴隷の一族は、ここから出たのだと詩は言う。
二つめの家――アヴィとアンマ
リーグはまっすぐに道を進み、戸のかかった館に着いた。中に入ると床では火が燃え、アヴィとアンマがその家の主だった。
二人は座って仕事をしていた。夫は機織りの梁にする木を削っていた。ひげは整えられ、額には巻き毛がかかり、服は体にぴったりと合い、部屋の隅には箱があった。妻は糸巻き棒を手に、腕を広げて機を織っていた。頭には帯を巻き、胸には上着、肩には留め金のついた肩掛けをつけていた。
リーグはまた二人のあいだに座った。アンマが料理を満たした器を並べると、いちばんのごちそうは煮た子牛の肉だった。リーグはまた二人のあいだに寝て、三夜とどまり、去っていった。九か月が過ぎた。
アンマは息子を生み、水をそそぎ、カルル(自由農民)と名づけて布にくるんだ。赤ら顔で、目が輝いていた。
カルルは育って力をつけると、牛を扱い、鋤を用意し、家を建て、納屋をこしらえ、車を作り、畑を耕した。やがて、山羊の皮をまとい、腰に鍵をさげた花嫁スネールが迎えられた。二人は家を整え、指輪を交わし、多くの息子と娘をもうけた。自由農民の一族は、ここから出たのだという。
三つめの家――ファズィルとモーズィル
リーグはまっすぐに進み、戸が南を向いた館に着いた。入口は大きく開き、柱には環がかかり、床には敷物が敷かれていた。
中ではファズィル(父)とモーズィル(母)が見つめ合い、指をからめて戯れていた。館の主は弓の弦を巻き、矢柄を作り、弓を形づくっていた。妻は自分の腕を眺め、布を整え、袖を合わせていた。帽子は華やかで、胸には留め金、裾は長く、衣は青かった。眉は明るく、胸は輝き、首は降ったばかりの雪よりも白かった。
モーズィルは刺繍をした白い亜麻布を食卓にかけ、白い小麦で作った薄いパンを並べた。銀で覆った器に、よく焼いた肉と鳥を盛り、水差しには葡萄酒を満たし、金属の杯で飲んで、日が暮れるまで語り合った。リーグはまた二人のあいだに寝て、三夜とどまり、去っていった。九か月が過ぎた。
モーズィルは息子を生み、絹にくるみ、水をそそいで、ヤルル(貴人)と名づけた。髪は金色で、頬は明るく、目は蛇のように鋭く光っていた。
ヤルルは館で育ち、盾を振り、弓弦を巻き、弓を射て矢を作り、槍を使い、馬に乗り、犬を放ち、剣を扱い、海峡を泳いだ。
リーグに認められたヤルル
ある日、森からリーグが大股で歩いてきて、ヤルルにルーンを教えた。リーグは自分の名でヤルルを呼び、息子と認めて、広い遺産、古くからの家々を治めるよう命じた。
ヤルルは馬で暗い森を抜け、霜に覆われた岩山を越えて、ある館を見つけた。槍を振り、盾を構え、馬を駆り、剣で斬りつけた。戦を起こし、野を血に染め、戦士たちを討ち、土地を手に入れた。
やがてヤルルは十八の館を治め、富を得て、それを皆に分け与えた。宝石や、脚の細い馬、腕輪を惜しまず贈った。
ヤルルの使いは、ぬかるんだ道を通ってヘルシルの館へ行った。その娘は美しく、指はほっそりとしていた。賢い乙女エルナである。使いたちは乙女を妻にと求めて連れ帰り、エルナはヤルルの花嫁となった。二人はともに暮らして幸せに過ごし、多くの息子をもうけた。
若いコンと鴉
ヤルルの息子たちは成長し、獣を飼いならし、盾を丸め、矢柄を作り、槍を振った。
末の息子は若いコンといった。コンは、永遠のルーン、命のルーンを使うことを学んだ。戦士を守り、剣の刃をなまらせ、海を静めることができた。鳥の言葉を覚え、炎を弱め、心を鎮め、悲しみをなだめた。その力は八人の男を合わせたほどだった。
コンは父のリーグ・ヤルルとルーンの知恵を競い、父よりも狡猾で賢かった。こうしてコンは、リーグと呼ばれ、ルーンを知る権利を得た。
若いコンは馬で森や林を抜け、矢を放ち、鳥をおびき寄せていた。すると枝にとまった一羽の鴉が言った。
コンよ、なぜ鳥など呼び寄せている。それより馬に乗って出かけ、軍勢を討つほうがよい。ダンとダンプの館は立派で、その富はおまえが得たものより大きい。彼らは船の竜骨を操るのも、武器を試すのも、傷を負わせるのもうまいのだ。
詩は、ここで途切れている。
出典について:本稿は『古エッダ』の「リーグの歌」に基づく再話です(英訳は H・A・ベロウズ訳、1923年)。この詩は終わりの部分が失われています。リーグをヘイムダルとする冒頭の散文について、英訳者ベロウズは、1300年ごろ以降の注記者が加えたもので根拠は乏しく、詩のリーグはむしろオーディンに近いと述べています。「リーグ」は古アイルランド語の「王」に由来するとみられます。詩は、身分ごとの暮らしや見た目を、その時代の詩人の描き方でうたっています。三人の息子の名は、それぞれ「奴隷」「自由農民」「貴人」を意味する言葉です。子どもたちの多くの名は省きました。
出典・資料
- 『古エッダ』Bellows訳・神々の歌と英雄詩 — 作品別の詩名・節を本文制作時に特定する
