ENCYCLOPEDIA · 北欧神話
ドラウプニル
Draupnir
小人ブロックとシンドリが作った金の腕輪。九夜ごとに同じ重さの腕輪が八つ滴り落ちる。オーディンのものとなり、バルドルの火葬の薪に置かれた。
小人の賭けから
『散文のエッダ』「詩語法」によれば、ロキは小人ブロックと、その兄弟シンドリがイーヴァルディの息子たちの宝に劣らない宝を作れるかどうかに自分の首を賭けた。シンドリは二つ目の宝として炉に金を置き、ブロックにふいごを吹かせた。蠅に首を刺されてもブロックは吹き続け、金の腕輪ができた。
ブロックはこの腕輪をオーディンに贈り、九夜ごとに同じ重さの腕輪が八つ、ここから滴り落ちると言った。宝を比べた神々は、トールの槌を最もすぐれたものと判定した。
バルドルの火葬
バルドルが死ぬと、オーディンはドラウプニルを火葬の薪の上に置いた。「ギュルヴィたぶらかし」は、九夜ごとに同じ重さの金の腕輪が八つ滴り落ちるというこの腕輪の性質を、そこでも語る。のちにヘルモーズがヘルの国を訪ねたとき、バルドルはドラウプニルを記念としてオーディンへ送り返した。「詩語法」はバルドルを「ドラウプニルの持ち主」とも言い換える。
『古エッダ』の「スキールニルの旅」では、フレイの使いスキールニルが、オーディンの息子とともに焼かれ、九夜ごとに同じ重さの腕輪が八つ落ちる腕輪を、ゲルズに差し出す。
登場する物語
- バルドルの死――ヤドリギの矢不吉な夢を見たバルドルのため、フリッグはあらゆるものに彼を傷つけないと誓わせる。神々はその不死身を遊びにしたが、ただ一つ誓いを求められなかったヤドリギを、ロキが盲目のヘズに射させた。神々と人間に起きた最大の不幸と、その火葬までを語る。
- 神々の宝物が生まれた日――シヴの髪と小人の賭けロキがシヴの髪を切り落としたことから、小人たちの鍛冶場で神々の宝物が次々に生まれる。自分の首を賭けたロキと、ふいごを吹き続けた小人ブロック。最後に最もすぐれた宝と認められたのは、トールの槌だった。
- ヘルの国へ向かったヘルモーズバルドルを取り戻すため、ヘルモーズはスレイプニルに乗り、九夜をかけて死者の国へ向かう。ヘルが示した条件は、世界のすべてのものがバルドルのために泣くこと。ほとんどすべてが泣いたが、洞窟の女巨人だけが涙を拒んだ。
関連する事典項目
出典
- スノッリ・ストゥルルソン『散文のエッダ』「ギュルヴィたぶらかし」
- 原題
- Gylfaginning
- 該当箇所
- 作品全体。記事ごとの章節は制作記録で特定する
- 参照訳
- Arthur Gilchrist Brodeur, The Prose Edda (1916)
2026-10-28、収録計画のため目次と一部本文を確認。全記事の本文照合済みを意味しない。既存の章別出典レコードは変更しない。
- スノッリ・ストゥルルソン『散文のエッダ』「詩語法」
- 原題
- Skáldskaparmál
- 該当箇所
- 作品全体。章番号はBrodeur訳に従い、他版の番号と混同しない
- 参照訳
- Arthur Gilchrist Brodeur, The Prose Edda (1916)
2026-10-28、収録計画のため一部本文を確認。グングニルと神器の製作はこの版の第35章。フロールヴ・クラキは第43章。個別記事の照合は別に記録する。
- 『古エッダ』Bellows訳・神々の歌と英雄詩
- 原題
- The Poetic Edda
- 該当箇所
- 作品別の詩名・節を本文制作時に特定する
- 参照訳
- Henry Adams Bellows, The Poetic Edda (1923)
2026-10-28、収録目次を確認。詩ごとの本文確認は未実施。既存の採用詩の章別レコードは維持する。
