NORSE · STORY

アンドヴァリの黄金と呪い――カワウソの償い

神々がカワウソと思って殺したのは、レギンの兄弟オッタルだった。父フレイズマルが求めた償いは、皮を黄金で満たし覆うこと。ロキが小人アンドヴァリから奪った黄金と腕輪には、持つ者すべてを滅ぼす呪いがかけられていた。

レギンの兄弟たち

竜ファーヴニルのもとへシグルズをけしかけるわけを、レギンはこう語りはじめた(物語「シグルズの成長と馬グラニ」)。

わたしの父はフレイズマルといって、力のある裕福な男だった。長男はファーヴニル、次男はオッタル(カワウソ)、わたしは三男で、腕前でも人柄でもいちばん劣っていた。けれども鉄や銀や金を細工するのは得意で、役に立つものを作ることができた。

兄のオッタルは、別の技と別の性質をもっていた。たいへんな漁の名手で、昼のあいだはカワウソの姿で川に住み、口にくわえた魚を岸へ運んだ。その獲物をいつも父のもとへ持ってきたので、父は大いに助かった。陸に上がると目がよく見えないので、たいていカワウソの姿のまま家へ帰り、ひとりで食べ、うとうとしていた。いちばん大きく荒々しかったのはファーヴニルで、あたりのものは何でも自分のものと呼びたがった。

一つの石

アンドヴァリという小人が、アンドヴァリの滝と呼ばれる滝に、いつもカマスの姿で住み、そこで魚を捕って食べていた。滝には魚がたくさんいたのである。兄のオッタルもよくその滝に入り、魚を捕っては一匹ずつ岸に並べていた。

あるとき、オーディンとロキとヘーニルが旅の途中で、アンドヴァリの滝にやって来た。ちょうどオッタルが鮭を一匹捕って、川岸でうとうとしながら食べているところだった。ロキは石を拾って投げつけ、オッタルを殺してしまった。

神々はよい獲物を得たと喜び、カワウソの皮をはぎにかかった。夕方、三人はフレイズマルの家に着き、捕った獲物を見せた。

皮を満たす黄金

するとフレイズマルは三人を捕らえ、償いを言い渡した。カワウソの皮を黄金で満たし、さらに外側もすっかり赤い金で覆え、というのである。

神々は、ロキを黄金集めに出した。ロキは海の女神ラーンのもとへ行って網を借り、アンドヴァリの滝へ向かって、カマスの前に網を投げた。カマスは網に飛びこみ、捕らえられた。ロキは言った。流れのなかで力強く泳ぎながら、用心することを学ばなかったのはどんな魚か。ヘルの国から首を買い戻したければ、水の炎――黄金――を見つけてよこせ。

小人は答えた。わたしはアンドヴァリと呼ばれ、父はオインという。多くの滝を渡ってきた。不運のノルンが、濡れた道をいつまでも歩くよう、この運命をわたしに負わせたのだ。

小人の呪い

ロキはアンドヴァリの黄金を見た。小人が黄金を差し出したあと、手もとには腕輪が一つだけ残っていた。ロキはそれも取り上げた。

小人は岩の穴に入って叫んだ。あの金の腕輪も、すべての黄金も、これからそれを持つ者すべての破滅となるように。

神々は宝を持ってフレイズマルのもとへ馬で戻り、カワウソの皮を黄金で満たして立て、外側もすっかり金で覆った。ところがフレイズマルは近寄ってよく見て、鼻づらのひげが一本見えていると言い、それも覆えと命じた。

そこでオーディンは、自分の手からアンドヴァリの腕輪を抜き取り、そのひげを覆った。ロキは歌った。

金は十分、金は十分。大きな償いを、おまえは受け取った。これでわたしの首も無事だ。だが、おまえもおまえの息子も、栄えはしない。この金が、おまえたち二人の破滅となる。

竜になった兄

レギンは続けた。そのあと、ファーヴニルは父を殺してしまった。わたしは宝から何ひとつ得られなかった。ファーヴニルはひどく悪しき者となり、荒野に横たわって、誰にも宝を分けようとせず、ついにはあらゆる竜のなかで最も悪い竜となって、いまもあの宝の上にうずくまっている。わたしは王のところへ行き、その鍛冶の長になった。こうして、わたしは父の遺産も、兄弟の償いも失ったのだ。

このとき以来、黄金は「カワウソの償い」と呼ばれる。

シグルズは言った。あなたは多くを失った。あなたの親族はひどい者たちだった。では、あなたの技で剣を作ってくれ。誰も同じものを作れないほどの剣を。わたしの心がそれにふさわしければ、その剣で大きなことをなしとげよう。あなたがわたしにあの大きな竜を殺させたいのなら。

レギンは言った。まかせておけ。その剣で、おまえはファーヴニルを殺すのだ。


出典について:本稿は『ヴォルスンガ・サガ』第14章、レギンがシグルズに語る話に基づく再話です(英訳はエイリークル・マグヌーソンとウィリアム・モリスの訳、H・H・スパーリング編、1888年)。同じ話は『散文のエッダ』「詩語法」第39章(A・G・ブロデュール訳、1916年)にも、黄金を「カワウソの償い」と呼ぶ理由として語られ、細部が異なります。そちらでは、ロキはオーディンに黒いエルフの国へ遣わされ、水の中の魚のような小人を手でつかまえます。オーディンはその腕輪が気に入って、いったん自分のものにしてから、ひげを覆うために差し出します。また、ロキが一つの石でカワウソと鮭を同時に得たと自慢し、フレイズマルが息子のファーヴニルとレギンとともに神々を縛る場面もあります。

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