ENCYCLOPEDIA · 北欧神話
ヘイムダル
Heimdall
『スリュムの歌』で、トールを花嫁に変装させる策を提案した神。
神々の相談の場で
『古エッダ』「スリュムの歌」で、フレイヤが巨人スリュムの花嫁となることを拒むと、神々と女神たちは集まり、どうすればトールの槌を取り戻せるかを話し合った。そこで口を開いたのがヘイムダルである。詩はヘイムダルを「神々のうちで最も白い」と呼び、ヴァン神族のように先のことをよく見通していたと歌う。
花嫁の装いの案
ヘイムダルの案は、トール自身を花嫁に仕立てることだった。トールに花嫁のベールをかぶせ、フレイヤの首飾りブリーシンガメンをつけさせる。腰には鍵の束を鳴らし、膝まで届く女の衣を着せ、胸には宝石を飾り、頭には頭飾りをのせる、というものである。
案の行方
トールは、そんな格好をしたら神々に女々しいと言われる、と嫌がったが、ロキに説き伏せられて花嫁の装いをした。こうしてトールは侍女に扮したロキとともに巨人の国へ向かい、婚礼の席で槌を取り戻した。
この詩でヘイムダルが登場するのは、この相談の場面だけである。
登場する物語
関連する事典項目
出典
- 『古エッダ』「スリュムの歌」(Þrymskviða)
- 原題
- Þrymskviða / Thrymskvitha
- 該当箇所
- 全篇(詩の30節。節区分は版によって異なる)
- 参照訳
- Henry Adams Bellows, The Poetic Edda (1923)
Bellows英訳と古ノルド語対照資料を参照した現代日本語の再話。独立監査待ち。
- スノッリ・ストゥルルソン『散文のエッダ』「詩語法」第1章
- 原題
- Skáldskaparmál, chapter 1
- 該当箇所
- 宴の席の十二のアース神族(ヘイムダルを含む)と女神たち(フレイヤを含む)
- 参照訳
- Arthur Gilchrist Brodeur, The Prose Edda (1916)
章番号は Brodeur 訳に従う。