ENCYCLOPEDIA · 北欧神話
詩の蜜酒
Skáldskapar mjöðr
飲む者を詩人や学者にする蜜酒。小人たちが賢いクヴァシルの血に蜂蜜を混ぜて作り、巨人スットゥングの手に渡ったのを、オーディンが手に入れてアース神族と詩人たちに与えた。
クヴァシルの血
『散文のエッダ』「詩語法」は、海の神エーギルの「詩という技はどこから始まったのか」という問いに答える形で、詩の蜜酒の由来を語る。神々とヴァン神族の和平のしるしから作られた賢いクヴァシルを、小人フィアラルとガラルが殺し、その血を釜オーズレリルと二つの大桶ソーンとボズンに流しこんだ。血に蜂蜜を混ぜてできた蜜酒は、飲む者を詩人か学者にした。
小人たちはのちに巨人ギリングとその妻を殺し、その息子スットゥングに命乞いをして、父の死の償いに蜜酒を差し出した。スットゥングは蜜酒をフニトビョルグの山に隠し、娘グンロズに見張らせた。
オーディンの獲物
オーディンはボルヴェルクと名のってスットゥングの兄弟バウギのもとで働き、錐で山に穴をあけさせると、蛇の姿で中へ入りこんだ。グンロズのもとで三夜を過ごして三口の蜜酒を許され、三口で釜と二つの大桶をすべて空にした。オーディンは鷲の姿になってアースガルズへ飛び帰り、追ってきたスットゥングから逃れて、蜜酒を神々の用意した大桶に吐き出した。
オーディンはこの蜜酒をアース神族と、詩を作る力のある人々に与えた。そのため詩は、クヴァシルの血、小人の飲み物、オーズレリルやボズンやソーンの液、スットゥングの蜜酒、オーディンの獲物や飲み物などと言い換えられる。『古エッダ』の「高き者の言葉」(ハーヴァマール)にも、オーズレリルから注がれた蜜酒を飲んだという一節があり、ベロウズの訳注は、これを蜜酒の話からの挿入とみている。
登場する物語
関連する事典項目
出典
- スノッリ・ストゥルルソン『散文のエッダ』「詩語法」
- 原題
- Skáldskaparmál
- 該当箇所
- 作品全体。章番号はBrodeur訳に従い、他版の番号と混同しない
- 参照訳
- Arthur Gilchrist Brodeur, The Prose Edda (1916)
2026-10-28、収録計画のため一部本文を確認。グングニルと神器の製作はこの版の第35章。フロールヴ・クラキは第43章。個別記事の照合は別に記録する。
- 『古エッダ』Bellows訳・神々の歌と英雄詩
- 原題
- The Poetic Edda
- 該当箇所
- 作品別の詩名・節を本文制作時に特定する
- 参照訳
- Henry Adams Bellows, The Poetic Edda (1923)
2026-10-28、収録目次を確認。詩ごとの本文確認は未実施。既存の採用詩の章別レコードは維持する。
