ENCYCLOPEDIA · 北欧神話
クヴァシル
Kvasir
アース神族とヴァン神族の和平のしるしから作られた、とても賢い者。小人たちに殺され、その血から詩の蜜酒が作られた。
和平のしるしから
クヴァシルは、『散文のエッダ』「詩語法」で、詩の起こりとして語られる者である。
それによれば、アース神族はヴァン神族と争ったのち、和平の会合を開き、双方が一つの大桶に唾を吐いて和平を結んだ。別れぎわ、神々はこの和平のしるしを失わせまいとして、そこから一人の人を作った。それがクヴァシルである。
クヴァシルはとても賢く、何を問われても答えを知っていた。そして地上をめぐって、人々に教えを授けた。
詩の蜜酒
あるとき、クヴァシルは小人フィアラルとガラルに招かれた。二人はクヴァシルを内密の話に呼び込んで殺し、その血をオーズレリルという釜と、ソーン、ボズンという二つの大桶に流し込んだ。血に蜂蜜を混ぜてできたのが、飲む者を詩人か学者にする蜜酒である。
小人たちはアース神族に、クヴァシルは自分の賢さに息を詰まらせて死んだ、と告げた。彼の知恵を問いただせるほど賢い者がいなかったから、というのである。
この蜜酒は、のちにオーディンの手に渡る。詩は「クヴァシルの血」とも言い換えられ、その呼び名にこの来歴が残っている。
登場する物語
関連する事典項目
出典
- スノッリ・ストゥルルソン『散文のエッダ』「詩語法」
- 原題
- Skáldskaparmál
- 該当箇所
- 作品全体。章番号はBrodeur訳に従い、他版の番号と混同しない
- 参照訳
- Arthur Gilchrist Brodeur, The Prose Edda (1916)
2026-10-28、収録計画のため一部本文を確認。グングニルと神器の製作はこの版の第35章。フロールヴ・クラキは第43章。個別記事の照合は別に記録する。
