ENCYCLOPEDIA · 北欧神話

ユミル

Ymir

世界の創造以前、氷が熱で解けた滴から生まれたと伝わる原初の巨人。

霜のしずくから

『散文のエッダ』「ギュルヴィたぶらかし」第5章によると、世界が形づくられる前、ギンヌンガガプの北側は氷と霜に埋まり、南側はムスペルから飛んでくる火の粉に照らされていた。熱い息吹が霜に触れると、霜は解けてしたたり落ちた。熱を送ったものの力によって、そのしずくに命が宿り、人の姿となった。これがユミルである。

霜の巨人の祖

同じ章によると、霜の巨人たちはユミルをアウルゲルミルと呼ぶ。霜の巨人の一族はみなユミルから出たとされ、章はこのことを示すものとして古い詩の節を引いている。

眠りと汗

ユミルは神なのかと問われると、答える者は、神とはみなさないと言う。ユミルは悪しき者で、その一族もみな同じだったという。ユミルが眠ると汗をかき、左の腋の下から男と女が生まれた。また、片方の足がもう片方の足とのあいだに息子をもうけた。霜の巨人の一族はここから生じたとされる。

登場する物語

関連する事典項目

出典

  1. 『散文のエッダ』「ギュルヴィたぶらかし」第4〜5章
    原題
    Gylfaginning 4–5
    該当箇所
    世界の始まり、ニヴルヘイム、ムスペル、ギンヌンガガプ、ユミルの誕生
    参照訳
    Arthur Gilchrist Brodeur (1916), The Prose Edda

    第4〜5章の区切りは参照版に従う。

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