ENCYCLOPEDIA · 北欧神話
ムスペル
Muspell
南にある、光と熱に満ちた燃えさかる世界。『散文のエッダ』では最初にあった世界とされ、その熱が北の霜を解かしてユミルが生まれる。
最初にあった世界
『散文のエッダ』「ギュルヴィたぶらかし」第4章によると、最初にあったのは南の世界ムスペルである。そこは明るく熱く、炎が燃えさかっている。その地に住む者でなければ、通り抜けることはできない。
地の果てを守るスルト
ムスペルの地の果てには、国を守るためにスルトが座っている。スルトは燃える剣を手にしており、世界の終わりのときには攻め出て神々を打ち負かし、世界を火で焼き尽くすという。章はこのくだりに「巫女の予言」の一節を添えている。
北の霜を解かす熱
第5章では、ギンヌンガガプの南側が、ムスペルから飛んでくる火の粉や燃えるかたまりに照らされていたと語られる。ムスペルの方に面したものは、みな熱く輝いていた。熱い息吹が北の霜に触れると、霜は解けてしたたり落ち、熱を送ったものの力によって、そのしずくから巨人ユミルが生まれた。
登場する物語
関連する事典項目
出典
- 『散文のエッダ』「ギュルヴィたぶらかし」第4〜5章
- 原題
- Gylfaginning 4–5
- 該当箇所
- 世界の始まり、ニヴルヘイム、ムスペル、ギンヌンガガプ、ユミルの誕生
- 参照訳
- Arthur Gilchrist Brodeur (1916), The Prose Edda
第4〜5章の区切りは参照版に従う。