ENCYCLOPEDIA · 北欧神話
ミーミル
Mímir
ミーミルの泉の番人。角で泉の水を飲むため、知恵に満ちているとされる。オーディンの眼をめぐる伝承に登場する。
知恵の泉の主
『散文のエッダ』「ギュルヴィたぶらかし」第15章によると、世界樹ユグドラシルの三本の根のうち、霜の巨人たちの方へ伸びる根の下には、知恵と知識が秘められた泉がある。この泉の主がミーミルである。ミーミルはギャラルホルンという角で泉の水を飲んでいたので、古い知恵に満ちていた。
オーディンの担保
同じ章によると、あるとき「万物の父」オーディンが泉に来て、水を一口飲ませてほしいと求めたが、すぐには許されなかった。オーディンは片目を担保に預けて、ようやく水を飲むことができた。章は、このときミーミルとオーディンがどんな言葉を交わしたのかを語っていない。
「巫女の予言」のミーミル
『古エッダ』「巫女の予言」では、巫女がオーディンに向かって、あなたの眼が名高いミーミルの泉に隠されていることを知っている、と告げる。そしてミーミルは毎朝、「戦死者の父」(オーディンの呼び名)の担保から蜜酒を飲む、と歌われる。「ギュルヴィたぶらかし」第15章はこの一節を引用しているが、章の本文では、ミーミルが飲むのは泉の水とされている。
登場する物語
関連する事典項目
出典
- スノッリ・ストゥルルソン『散文のエッダ』「ギュルヴィたぶらかし」第15章
- 原題
- Gylfaginning, chapter 15
- 該当箇所
- 世界樹の根・ミーミルの泉・オーディンの眼の担保
- 参照訳
- Arthur Gilchrist Brodeur, The Prose Edda (1916)
古ノルド語原典に対する英訳資料として照合。現代日本語への再話は独自に作成。
- 『古エッダ』「巫女の予言」オーディンの眼に関する節
- 原題
- Vǫluspá (stanza numbering varies by edition)
- 該当箇所
- オーディンの眼がミーミルの泉にあると巫女が告げる箇所
- 参照訳
- Henry Adams Bellows, The Poetic Edda (1923), stanzas 28–29
版によって節番号・伝本の構成に差異があるため、節番号を単一の普遍番号として扱わない。