ENCYCLOPEDIA · 北欧神話

ウトガルザ・ロキ

Útgarda-Loki

ウトガルズの城の王。訪ねてきたトールの一行に技比べをさせ、目くらましで打ち負かしたのち、その仕掛けを明かして城ごと姿を消した。

ウトガルズの王

ウトガルザ・ロキは、トールの一行が巨人の国(ヨトゥンヘイム)を目指す旅の途中で訪ねた、ウトガルズの城の王である。トールとともに旅をするロキとは別の存在として語られる。城の広間には大きな男たちが居並んでいた。

『散文のエッダ』「ギュルヴィたぶらかし」によれば、トールの一行が格子門をすり抜けて広間に入ると、王はトールを幼子のようだと嘲り、人にまさる技を持つ者でなければここにはいられないと言った。そして、ロキには早食い、シャールヴィには駆け比べ、トールには角の飲み干し、猫の持ち上げ、老女エリとの組み打ちをさせた。一行はどれにも勝てなかった。

明かされた目くらまし

翌朝、一行を城の外まで送り出すと、王は真実を語った。トールの力を前もって知っていたなら、城に入れはしなかった。自分は目くらましを用いていた、と。

森で一行と旅をした大男スクリューミルは、王自身だった。食料の袋は鉄で縛ってあり、トールの三度の槌は、前に置いた山に当たっていた。競技の相手と道具も見かけどおりではなかった。ロキと食べ比べたロギは野火、シャールヴィと走ったフギは王の思考、トールが飲んだ角の先は海、持ち上げた猫はミズガルズの大蛇、組み打ちの老女エリは老いだった。

王は、二度と自分を訪ねて来ないほうが互いのためだと告げた。トールが槌を振り上げたとき、王の姿はもうなく、城のあった所には広い平原が広がっているだけだった。

その後

問答のなかで、聞き手は、ウトガルザ・ロキが策略と魔術に長けた非常に力ある者だと感じ入り、トールは仕返しをしたのかと尋ねる。その答えとして語られるのが、トールが大蛇を釣り上げる話である。

登場する物語

関連する事典項目

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出典

  1. スノッリ・ストゥルルソン『散文のエッダ』「ギュルヴィたぶらかし」
    原題
    Gylfaginning
    該当箇所
    作品全体。記事ごとの章節は制作記録で特定する
    参照訳
    Arthur Gilchrist Brodeur, The Prose Edda (1916)

    2026-10-28、収録計画のため目次と一部本文を確認。全記事の本文照合済みを意味しない。既存の章別出典レコードは変更しない。