ENCYCLOPEDIA · 北欧神話

エリ

Elli

ウトガルズの城でトールと組み打ちをした老女。王の乳母として呼ばれたが、その正体は「老い」だった。

王の乳母

エリは、『散文のエッダ』「ギュルヴィたぶらかし」のトールがウトガルズの城を訪ねる話に登場する老女である。

飲み比べと猫の持ち上げで思うようにいかなかったトールは、怒って、誰か組み打ちの相手をせよと言った。王ウトガルザ・ロキは、トールと組んで恥と思わない者はここにはいないと言い、自分の乳母の老女エリを呼ばせた。エリは、トールに劣らず強いと見えた男たちを投げ倒してきたという。

片膝をついたトール

トールが強く組みつくほど、老女はしっかりと立って動かなかった。老女が技をかけると、トールはよろめいた。激しい引き合いのすえ、トールは片膝をついた。そこで王が割って入り、組み打ちを止めさせた。

老い

翌朝、城の外で王は、エリの正体は「老い」だったと明かした。老いるまで生きた者で、老いに倒されない者はこれまでもいなかったし、これからもいない。だからこそ、トールが長く持ちこたえ、片膝をつくだけですんだことは大きな驚きだった、と王は語った。

登場する物語

関連する事典項目

神話事典神々・英雄・怪物・武器・道具・場所を横断して探す。

出典

  1. スノッリ・ストゥルルソン『散文のエッダ』「ギュルヴィたぶらかし」
    原題
    Gylfaginning
    該当箇所
    作品全体。記事ごとの章節は制作記録で特定する
    参照訳
    Arthur Gilchrist Brodeur, The Prose Edda (1916)

    2026-10-28、収録計画のため目次と一部本文を確認。全記事の本文照合済みを意味しない。既存の章別出典レコードは変更しない。