ENCYCLOPEDIA · 北欧神話

トール

Thor

アース神族の神。槌ミョルニルを持ち、巨人たちと対峙する物語に登場する。

槌を失ったトール

『古エッダ』「スリュムの歌」は、目を覚ましたトールが槌ミョルニルのないことに気づく場面から始まる。トールはひげを震わせ、髪を逆立てて探し回り、まずロキに事情を打ち明けた。ロキが巨人の国へ飛んで確かめると、槌を隠したのは巨人スリュムで、女神フレイヤを花嫁として連れて来なければ返さないという。

花嫁に扮して

フレイヤに断られると、神ヘイムダルが、トール自身を花嫁に変装させる案を出した。トールは神々に女々しいと言われると嫌がったが、ロキに説き伏せられて花嫁のベールをかぶり、侍女に扮したロキとともに巨人の国へ向かった。詩はこの出発の場面で、トールを「オーディンの息子」と呼んでいる。

婚礼の宴で、花嫁姿のトールは雄牛一頭と鮭八匹、女性たちのためのごちそうを平らげ、蜜酒を三樽飲み干した。

槌を取り戻す

スリュムが花嫁を清めるために槌を持って来させ、花嫁の膝に置かせると、トールの心は笑った。トールは槌をつかんでスリュムを打ち倒し、その場の巨人たちと、婚礼の贈り物を求めたスリュムの姉妹も倒した。

登場する物語

関連する事典項目

出典

  1. 『古エッダ』「スリュムの歌」(Þrymskviða)
    原題
    Þrymskviða / Thrymskvitha
    該当箇所
    全篇(詩の30節。節区分は版によって異なる)
    参照訳
    Henry Adams Bellows, The Poetic Edda (1923)

    Bellows英訳と古ノルド語対照資料を参照した現代日本語の再話。独立監査待ち。

  2. スノッリ・ストゥルルソン『散文のエッダ』「ギュルヴィたぶらかし」第21章
    原題
    Gylfaginning, chapter 21
    該当箇所
    アース神族のトールと、その持ち物(槌ミョルニルほか)
    参照訳
    Arthur Gilchrist Brodeur, The Prose Edda (1916)

    章番号は Brodeur 訳に従う。

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