ENCYCLOPEDIA · 北欧神話
スヴァジルファリ
Svadilfari
神々の城壁を一冬で築くと請け負った職人の牡馬。巨大な岩を運んで工事を進めたが、森から現れた牝馬を追って仕事を離れた。
職人の牡馬
スヴァジルファリは、アース神族のために城壁(砦)を築くと申し出た職人が連れていた牡馬である。『散文のエッダ』「ギュルヴィたぶらかし」によれば、職人は一冬で仕上げればフレイヤと太陽と月を得るという取り決めを結び、誰の助けも受けないことを条件とされた。そのうえで、この馬の助けだけを求め、ロキが勧めたため認められた。
職人は夜に、この馬で石を運んだ。馬が引く岩の大きさに神々は驚き、馬は職人の半分増しの荒仕事をしたという。
森へ駆け去る
夏まであと三日、工事は門の手前まで進んでいた。困った神々に脅されたロキは、職人に報酬を失わせると誓った。
その晩、職人がスヴァジルファリと石を取りに出ると、森から一頭の牝馬が飛び出していなないた。スヴァジルファリは狂ったようになって引き綱をちぎり、牝馬を追って森へ駆け込み、職人もそのあとを追った。馬たちは一晩じゅう走り、その後の仕事は以前のようには進まなかった。職人は期限に間に合わず、巨人の正体をあらわして、トールに討たれた。
ロキはスヴァジルファリと交わり、しばらくして灰色で八本脚の仔馬を産んだ。これがオーディンの馬スレイプニルである。
登場する物語
関連する事典項目
出典
- スノッリ・ストゥルルソン『散文のエッダ』「ギュルヴィたぶらかし」
- 原題
- Gylfaginning
- 該当箇所
- 作品全体。記事ごとの章節は制作記録で特定する
- 参照訳
- Arthur Gilchrist Brodeur, The Prose Edda (1916)
2026-10-28、収録計画のため目次と一部本文を確認。全記事の本文照合済みを意味しない。既存の章別出典レコードは変更しない。
