ENCYCLOPEDIA · 北欧神話
ラタトスク
Ratatoskr
世界樹ユグドラシルを上り下りするリス。枝にとまる鷲と、根の下にいる竜ニーズヘッグのあいだで言葉を運ぶ。『散文のエッダ』は、それを妬みの言葉と伝える。
世界樹を上り下りするリス
ラタトスクは、世界樹ユグドラシルにいるリスである。『散文のエッダ』「ギュルヴィたぶらかし」によれば、ユグドラシルの枝には多くのことを知る鷲がとまり、根の一本の下にある泉フヴェルゲルミルでは、竜ニーズヘッグが根を下からかじっている。ラタトスクはこの木を上から下まで上り下りして、鷲とニーズヘッグのあいだに妬みの言葉を運ぶ。
同じ箇所は、枝を走って葉をかむ四頭の鹿や、ニーズヘッグとともにフヴェルゲルミルにいる語り尽くせないほど多くの蛇のことも語る。ラタトスクは、世界樹に住むこうした生き物の一つとして挙げられている。
鷲の言葉を下へ
『古エッダ』の「グリームニルの言葉」も、ラタトスクをユグドラシルの上を走るリスとしてうたう。詩では、ラタトスクは上から鷲の言葉を運び、下にいるニーズヘッグに告げる。
出典による違い
「グリームニルの言葉」(ベロウズ訳の第32節)は、鷲の言葉を下のニーズヘッグへ運ぶという一方向の伝え方で、言葉の中身にはふれない。「ギュルヴィたぶらかし」第16章は、鷲とニーズヘッグのあいだを行き来する言葉とし、それを妬みの言葉と呼ぶ。ベロウズの訳注も、『散文のエッダ』がこのリスについて付け加えるのは、木を上り下りして鷲とニーズヘッグの罵りの言葉を互いに伝えることだけだと説明している。
どちらの資料も、ラタトスクの姿や性格については述べていない。
登場する物語
関連する事典項目
出典
- スノッリ・ストゥルルソン『散文のエッダ』「ギュルヴィたぶらかし」
- 原題
- Gylfaginning
- 該当箇所
- 作品全体。記事ごとの章節は制作記録で特定する
- 参照訳
- Arthur Gilchrist Brodeur, The Prose Edda (1916)
2026-10-28、収録計画のため目次と一部本文を確認。全記事の本文照合済みを意味しない。既存の章別出典レコードは変更しない。
- 『古エッダ』Bellows訳・神々の歌と英雄詩
- 原題
- The Poetic Edda
- 該当箇所
- 作品別の詩名・節を本文制作時に特定する
- 参照訳
- Henry Adams Bellows, The Poetic Edda (1923)
2026-10-28、収録目次を確認。詩ごとの本文確認は未実施。既存の採用詩の章別レコードは維持する。

