ENCYCLOPEDIA · 北欧神話
ヒュミル
Hymir
トールとともに海へ漕ぎ出した巨人。トールがミズガルズの大蛇を舟べりまで釣り上げると、恐れて釣り糸を切った。
若者を泊めた巨人
ヒュミルは、『散文のエッダ』「ギュルヴィたぶらかし」のトールが大蛇を釣る話に登場する巨人である。
ある夕暮れ、若者の姿をしたトールがヒュミルの家に来て泊まった。夜明けにヒュミルが漁に出る支度をすると、トールは一緒に漕ぎ出させてほしいと頼んだ。ヒュミルは、小さく若いおまえは役に立たない、自分がいつものように遠く長く沖にいれば凍えるだろう、と言った。餌は自分で用意せよと言われたトールは、ヒュミルの牛の群れでいちばん大きな牛の頭を切り取って持って来た。
糸を切った巨人
ヒュミルは舳先で漕いだ。いつもカレイを釣る漁場に着いたと告げたが、トールはもっと先へと漕ぎ、ヒュミルは、ここから先はミズガルズの大蛇がいて危ないと言ってひどく恐れた。
トールが大蛇を舟べりまで引き上げると、ヒュミルは大蛇と、舟に海水が出入りするのを見て青ざめ、黄色くなった。トールが槌を振り上げたその瞬間、ヒュミルは魚用の小刀を探り当て、舟べりで糸を切った。大蛇は海へ沈み、怒ったトールに耳を打たれたヒュミルは、舟から海へ落ちた。
この事典項目は「ギュルヴィたぶらかし」の散文の話だけに拠っている。ヒュミルの名を題に持つ『古エッダ』の詩「ヒュミルの歌」は別の資料で、その内容はここには含めていない。
登場する物語
関連する事典項目
出典
- スノッリ・ストゥルルソン『散文のエッダ』「ギュルヴィたぶらかし」
- 原題
- Gylfaginning
- 該当箇所
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- 参照訳
- Arthur Gilchrist Brodeur, The Prose Edda (1916)
2026-10-28、収録計画のため目次と一部本文を確認。全記事の本文照合済みを意味しない。既存の章別出典レコードは変更しない。
