ENCYCLOPEDIA · 北欧神話
グロッティ
Grótti
回す者の望むものを何でもひき出す二つの大きな石臼。デンマークのフロージ王が女奴隷フェニャとメニャに黄金と平和をひかせたが、女たちは王に対する軍勢をひき出した。
望むものをひく臼
『散文のエッダ』「詩語法」は、詩で黄金を「フロージの粉」と言い換えるわけとして、この石臼の話を伝える。オーディンの子スキョルドの子孫フロージ王がデンマークを治めていたころ、誰も回せないほど大きな二つの石臼が見つかった。回す者が望むものを何でもひき出す臼で、グロッティと呼ばれた。
フロージはスウェーデンのフィョルニル王の宴で、大きく強い二人の女奴隷フェニャとメニャを買い、臼を回させて、黄金と平和と幸せをひかせた。けれども、休みも眠りもほとんど与えなかった。
臼の歌と海の塩
女たちは臼の歌をうたい、歌い終える前にフロージに対する軍勢をひき出した。その夜、海の王ミューシングが来てフロージを殺し、フロージの平和は終わった。ミューシングは臼と女たちを連れ去り、塩をひかせた。真夜中に女たちが、塩はもう十分ではないかと尋ねても、ミューシングはもっとひけと命じた。まもなく船は沈み、それ以来、海には臼の穴に水が落ちこむ渦ができた。海が塩辛くなったのもそのときからだという。
章のなかに引かれる「グロッティの歌」では、女たちは自分たちが山の巨人の一族の出だとうたい、仇を討つ者を別の名で呼び、歌は臼が割れるところで終わる。海の王ミューシングと海の塩は、この詩には語られない。
登場する物語
関連する事典項目
出典
- スノッリ・ストゥルルソン『散文のエッダ』「詩語法」
- 原題
- Skáldskaparmál
- 該当箇所
- 作品全体。章番号はBrodeur訳に従い、他版の番号と混同しない
- 参照訳
- Arthur Gilchrist Brodeur, The Prose Edda (1916)
2026-10-28、収録計画のため一部本文を確認。グングニルと神器の製作はこの版の第35章。フロールヴ・クラキは第43章。個別記事の照合は別に記録する。
