ENCYCLOPEDIA · 北欧神話
グリーズ
Gríðr
ヴィーザルの母である女巨人。巨人ゲイルロズの館へ向かうトールを一夜泊め、ゲイルロズの危うさを教えて、力の帯と鉄の手袋と杖を貸した。
ヴィーザルの母
『散文のエッダ』「詩語法」は、グリーズを、無口な神ヴィーザルの母である女巨人として紹介する。ヴィーザルは同じ書で「オーディンの息子」と言い換えられる。フリッグの言い換えにも「ヨルズとリンドとグンロズとグリーズの相妻」があり、グリーズはオーディンを夫とする女性たちの一人として名が挙がる。
トールに道具を貸す
ロキの誓いのために、トールは槌も力の帯も鉄の手袋も持たずに、巨人ゲイルロズの館へ向かうことになった。その途中、トールはグリーズのところで一夜を過ごした。
グリーズはトールに、ゲイルロズが狡猾で手ごわい巨人だと本当のことを教えた。そして自分の持っている力の帯と鉄の手袋、それにグリーザルヴォル(グリーズの杖)と呼ばれる杖を貸した。
借りた道具のはたらき
トールは大河ヴィムルで力の帯を締め、グリーズの杖を下流側に突いて流れを渡った。ゲイルロズの館では、腰かけた椅子が屋根へ持ち上がると、杖を垂木に突っ張って押し返し、椅子の下にいたゲイルロズの娘ギャールプとグレイプの背骨を折った。ゲイルロズが投げつけた灼けた鉄の棒は、鉄の手袋で受けとめた。
この話をうたう『トールの頌歌』にも「グリーズの杖」の語が出てくる。資料は、グリーズの住まいや親、なぜトールを助けたのかを語らない。
登場する物語
関連する事典項目
出典
- スノッリ・ストゥルルソン『散文のエッダ』「詩語法」
- 原題
- Skáldskaparmál
- 該当箇所
- 作品全体。章番号はBrodeur訳に従い、他版の番号と混同しない
- 参照訳
- Arthur Gilchrist Brodeur, The Prose Edda (1916)
2026-10-28、収録計画のため一部本文を確認。グングニルと神器の製作はこの版の第35章。フロールヴ・クラキは第43章。個別記事の照合は別に記録する。





